本格的に冬の寒さを感じてきましたね。
こんにちは、馬場です。
先日、担当させて頂いた
ご結婚式でのことをお話します。
お友達も招かれての人前式、
その後はガーデンにてケーキセレモニーなど
華やかなお時間を楽しまれた後は、
ご家族だけのお食事会をされた
新郎新婦のお二人。
「皆さんとのお話を楽しんでもらいながら、
ゆっくりお食事を召し上がってほしい」
そんなお二人でしたので、
お食事会はゆったりとした進行内容。
お食事の時間をメインとしながら、
お写真撮影やデザートビュッフェなど
ご両家が交流をされるそのお時間にも
司会として入らせて頂きました。
司会者打ち合わせで、ご新郎から、
「母がピアノを弾きたいと言ってて。
食事会でピアノなんて、いいですか?」
そんなお話を伺っていました。
「勿論です!
お母さまピアノ弾かれるんですか?」
ご新郎が知っているかぎりの
お母さまのお気持ちも伺い、当日を迎えました。
曲目など詳しいことはお二人は当日まで知らず
お食事会の前にお母さまにお話を伺うと、
“弾きたいのは「糸」
2人は奇跡のように出会え、
これからふたりで、糸を紡ぐように、
支え合っていってほしい”
そんなお気持ちから、ぜひ弾きたいと
ご準備くださっていました。
「演奏だけで、2人にメッセージなど話すのはちょっとはずかしいので…」
そう話していらしたお母さまでしたが、
演奏中に、いつも落ち着いた雰囲気の新郎は
涙を拭っていらっしゃり、
また、演奏後のお母さまのお顔を見た時、
(きっと、お気持ちを話して下さる)
なんでしょうか、それは
司会者の直感みたいなものを感じ、
お母さまにマイクを向けてみました。
ご新郎が、
涙を浮かべて聴いていらっしゃった事をお母さまに伝え、
なぜ、この曲を選ばれたのか…
私に話して下さったそのお気持ちを、
お母さまのお言葉でおふたりに届けてほしい
そう思いお伺いしました。
その時、会場内には、
かすかに、お母さまが弾いた「糸」と同じメロディが。
音響担当のスタッフが、
その場にふさわしい、と
糸をかけてくれました。
少し恥ずかしそうだったお母さまでしたが、
その曲を耳にし、
「そうそう、これ、この曲をね、カラオケが好きな2人と行った時に、私も好きで歌ってたんですよね。その時に、あぁ、これを結婚式で、弾いてやりたいな。って思ったんです。…」
おふたりの幸せな姿と、ご新郎の涙と、
音楽のパワーもお母さまの背中を押したのか、
2人に向けて、とてもあたたかなメッセージを
お母さまは添えて下さいました。
もちろん、お母さまの
素晴らしいピアノのメロディだけでも
おふたりの心に強くあたたかく響いたことでしょう。
でも、そこに込められたお母さまのお気持ちを
言葉にしてお伝え頂けたことで、
より、おふたりの心に届くものがあったなら
そう感じた瞬間でした。
結婚式には、
そこにしか生まれない、
魔法のような力を感じる事があります。
素直に 伝える
そのお手伝いが、少しでもできたら
今年も残り少しですが、
そんな気持ちを大切にしながら、
司会を務めていきたいと思います。
馬場 じゅんこ