今から10年近く前のこと。
私にとって忘れられない言葉があります。
当時、友人みんなで
「異性の心を開かせるには?」なんかの恋愛論を
あーでもないこーでもないと話していた時のことでした。
その中の一人が
「話し上手は話させ上手だ」
と言ったのです。
話させ上手、つまり聞き上手のことです。
彼が言うには
「話すのが上手な人というのは、
相手の話を引き出すのが上手い人だ」
というのです。
私にとっては、目から鱗でした。
だって、話が上手な人というのは
語り部さんのように
延々と途切れることなく話ができる人だと思っていたから。
話すのが上手な人と、うんうんと話を聞くのが上手な人は
イコールではないと思っていたから。
当時は恋愛論のあーでもないこーでもないの話でしたから、
「ふむふむ、つまり相手の話を引き出して、
うんうんと聞くのが次のデートに繋がるのね!」
なんてみんなで言っていました。
そして、当時はまだ司会者の卵だった私は
雛として少しだけ成長して、今その言葉の意味を改めて感じています。
周りからはよく
「話が上手くなきゃ、司会者にはなれないよね」
と言われます。
そういう見方もあるかもしれません。
でも、一方では
聞き上手でなければいけない、とも思います。
それは、新郎新婦さんとの打ち合わせであったり、
披露宴の中の、中座やテーブルインタビューなどの
ゲストの声を聞く時であったり。
ただ自分の話を一方的にするのではなく、
まずは相手の話にしっかりと耳を傾ける。
それは、司会者だからではなく、
恋愛だって、友人だって、会社だって、家族だって、
全てに通ずることかもしれません。
10年前、なにげなーく耳にした言葉は
今でも大切にしてる言葉になりました。
話し上手は、話させ上手
先日、私の話を、
私の間合いでじっくり聞いてくれた師匠。
多くは語らず、私の話しやすい雰囲気を作ってくれて、
それだけで心がじーんとしました。
若杉