8月に結婚式を控えたお客様と打合せをしてきました。
披露宴の中で「お二人のプロフィール紹介」という項目があります。
事前にお二人に書いていただいたアンケートを元に
当日のプロフィール紹介をどのように進めていくか
打合せの中で、お二人と話し合いながらまとめていきます。
職歴
新郎さんはこのアンケートの項目に
「いろいろやってきましたよ☆」
と書かれました。
詳しくお話を伺うと
多種多様な業務に携ってきたご様子。
器用で情熱を持った新郎さんですから
きっとどの仕事も全力で取り組んでいらしたのだろうと想像できます。
私も新郎新婦さんと同年代。
同じ時代背景、共通の話題も多く
お二人との会話も弾みました。
そして。器用かどうかは分かりませんが
私もいろんな仕事に携りました。
その中でもとても印象に残っているのが
引越屋さんです。
19歳の春から夏にかけて。
毎日汗だくになりながら
荷物の梱包のお手伝いや
時には冷蔵庫や食器棚を運んだこともありました!
一緒に働く仲間は若い男性が多かったのですが
ベテランのおばちゃんも何名かいました。
このおばちゃんスタッフから本当にたくさんのことを教わりました。
ある日
とても大きなお屋敷のお引越に立ち会いました。
いつものように食器を梱包し始めた私。
隣で同じように食器を包んでいたおばちゃんが
不意に手を止め
「かとちゃん、これよく見ときなさい」と言いました。
手にはコーヒーカップとソーサー。
「こんな上等なものにお目にかかれるとはね~」
と、しげしげとカップを眺め
「若いうちから良い物、本物に触れないといかんのよ」
「本物は存在感が違う。持ってみなさい」
手渡されたカップは金の縁取りがされ
深い緑にいくつもの花と蔦のような模様が施されていました。
19歳の私には地味な印象でしたが
ひんやりとして滑らかな手触りを今でも憶えています。
「100年以上前のものよ」
折りしも創業100年を迎えようとした日本を代表する証券会社が破綻した春。
このカップが見てきた世の移り変わりを何となく感じていました。
「割ったらえらいこっちゃ」とつぶやくと
おばちゃんは大層丁寧にカップを包み、箱に大きく
「割物!!!注意!!!」と書きました。
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もう15年近く前の話ですが
この時のことはなぜか鮮明に記憶されています。
「良い物、本物に触れなさい」というおばちゃんの言葉も。
転職や誕生日など節目に
一つずつ揃えてきたカップのコレクションもだいぶ増えました。
私の食器好きはあの日から始まったのかもしれません。
ちなみに。
ブラスの会場で使われている食器も
打合せの時にお出しするコーヒーカップも
どれも素晴らしい「本物」ばかりです☆
本日のブログは
引き出物に食器をもらうと
歓声を上げてしまう加藤みゆきでした。