忘れられない言葉があります。
もう何年も前の披露宴でのこと。
新郎さんのご上司が祝辞をお話しされていました。
昔から、私はこの場面は好きなシーンの一つです。
お二人の職場での様子や、
職場の皆さんとの関係、会社の雰囲気も知ることができるからです。
そしてもう一つ。
ご上司がお話される内容は、
自分にとっても、とてもためになるものが多いからです。
夫婦として、人として、
初心にかえれる言葉が溢れています。
「感謝の気持ちを忘れずに」
本当におっしゃる通りだなぁといつも思います。
私の忘れらない言葉も
そんな“感謝”という言葉にまつわるものでした。
そのご上司が
「“ありがとう”の逆の意味の言葉を知っていますか?
同じ5文字で“あ”から始まる言葉です」
と、お二人に問いかけていました。
お二人も、会場の皆さんも、分からないご様子。
もちろん私も。
「“あ た り ま え”
です。
相手に対して、
家事をやってあたりまえ、
仕事をして帰ってくるのがあたりまえ、と思うのではなく、
おうちのことをしてくれてありがとう、
家族のために働いてきてくれてありがとう、と
感謝の気持ちを忘れない二人でいてくださいね」
目から鱗でした。
ありがとう⇔あたりまえ
日本語にこんな法則があったなんて。
この言葉を知って以来、
ものの考え方が変わりました。
世の中に、“あたりまえ”に存在するものなんて
ほとんどないのでは?
今の生活、今の人間関係全て、決してあたりまえでは
ないんだなぁと気付くことができました。
そして。
私が旦那さんと結婚してよかったな、と思うこと。
私以上に「ありがとう」をたくさん言ってくれることです。
あたりまえなんてないと分かっていても、
その言葉でまた、ハッとさせられることがあります。
そして、
ありがとうの先には、ありがとうがまた生まれます。
毎日の生活で見過ごしてしまっている小さな幸せや
感謝の気持ちをこれからも忘れずにいたいです。
若杉