BRASS SMILE AND TEARS

	ブラス司会者が綴る コトブキ日和

家のリビング、お父さんの席は、テレビが見やすいココ。
人と歩くとき、なぜか落ち着く左側(右側)
お店で食事のときは一番端、すみっこ。
車の助手席。
バスは一番後ろ。

なんとなくどんな時も落ち着く場所や、いつかは座りたい特等席が
あったりするもの。



夕食前の我が家。

「今日はオレがパパのおとなり~!」
「ちがうよ~、昨日したじゃん!!」
「えーーー!!」

毎日この感じで、パパのお隣の特等席を巡って一悶着。
結果、ママ(私です)の隣は、罰ゲームか?
みたいな流れになり、
気を使う子供は、
「ママ、一人じゃかわいそうだから、オレおとなりしたるわ。」
と、少々上から慰めてくれます。

こんなやり取りを見て、悲しむどころか、パパ大好きっこになってくれて、
よしよし、と、思っているのは、わたしだけでしょうか。
器が大きい、と、感じていただけたら嬉しいです。

そんな私の特等席は。
結婚式の司会者席。

野球で言うならキャッチャーとでも言いましょうか。
司会者は新郎新婦のお二人のすぐ隣。
そして、ゲスト全員を見渡せる場所にいます。

特に好きなのは、挙式で、お父様が娘さんを、新郎さんにバトンタッチをする瞬間。

リハーサルでは
「できるかなぁ~」
「ま、なんとなく、ノリでやりますわ。」
「パパッと、やりますね。」

なんて言いながら照れ隠しをされる方も、
リハーサルから、じーんと、心に秘めたものをなんとか抑えようと
必死な方も。

色々です。

でも、本番で、大切に守ってきた娘さんを新郎さんにたくす、その瞬間は…

何とも言えないんです。
お父様の「想い」

お二人の手を握り、お顔をくしゃくしゃにして、溢れる涙をかくそうと、
頭を深々と下げ、しばらく動けないお父様。

新郎さんの目をまっすぐ見つめ、「よろしくたのむよ。」
と、力強く伝えるお父様。

たくさんのお父様の表情を見てきました。
とても印象に残っています。

この瞬間がしっかり見届けられるのは、私のいる、場所。
特等席です。
司会者になってよかったな。と思う場面です。

どのお父様もいいお顔していますよ。

これからもたくさんの想いを見守ろうと思います。

みなさんの特等席はどこですか?


ママの隣が特等席になる日を夢見るトミーこと吉富でした。